Sound Forest Fantasy チャンネル/宮殿の待合室/

Sound Forest Fantasy チャンネルに新しい動画を公開しました。雨の日の宮殿をイメージした環境音動画です。Youtubeに６時間の動画、ZOWAに３時間、１時間の動画を公開しています。ぜひ、お好きな媒体でご覧ください。（Youtubeでは、現在、同じ音源を使用した動画を複数公開することは禁じられています。最悪、チャンネルにペナルティが付くこともあるので、別媒体に公開しています。）

このブログ記事では、各媒体のリンクと共に製作の裏話や豆知識に関して記述しています。興味のある方はご覧ください。

動画紹介と各メディアのリンク

動画紹介

ポツポツと小雨の降る夜の、宮殿の待合室。朝から降り続く雨は、夜になっても止まない。ガラスを打つ雨の鈍い音が、分厚いカーテン越しに聞こえてくる。待合室では、隣の王国からやってきた使者がもてなしを受けている。紅茶を注いだり、果物をきっているの音が小声とともに聞こえてくる。筆記係が、彼らの話の詳細を紙に書き写していた。その様子を、壁の中心に掛けられた夫人がじっと見つめている。先日、海の向こうの王国から献上された絵画には、精霊が住み着いているらしい。勢いよく金粉を振りまいては、画面の外へ消えていく。どうやら、夫人の住む世界では、もう冬は明けたようだ。桜の花びらが舞、蝶が飛んでいる。しばらく見ていても見飽きない。 部屋の外からは、衛兵の鎧が擦れる音や、廊下を鳴らす鈍い足音が聞こえていた。宮殿が眠りにつくには、まだ早い。

Sound Forest Fantasy

各サイトへのリンク

各サイトへのリンクになります。サーバーへの負担が重たくなることから、このブログでは埋め込み式の動画を使用していません。動画を見るには、以下の赤枠のボタンからみてください。

制作記

赤坂の迎賓館

さて、今回の動画のイラストだが、宮殿の待合室をイメージしています。部屋の間取りとしては赤坂の迎賓館の彩鸞の間を思いうかべていただければ、なんとなくその規模感などわかるのではないでしょうか。大きな窓があり、夜になると分厚カーテンが閉められ、外の音は、鈍く反響し部屋の中にこだまする。そんな、情景が目に浮かびます。（実際に宮殿建築に訪れると、家の部屋と違い、廊下を歩く音や外からの環境音が鈍く反響するのを感じられると思ういます。）私は赤坂の迎賓館には小学六年生の頃に社会科見学で初めて訪れました。そのときは生憎の雨で、小学生の私には楽しいとは思えない見学となりましたが、それでもこの迎賓館の見学だけは楽しむことができたのです。廊下に嵌められた分厚い窓ガラスには、雨粒が叩きつけていました。民家のガラスと違い、どこか低音の響く不思議な音で、初めて聞く雨の音。友人たちのひそひそ声は部屋中にこだまし、部屋の中には心地よいノイズで溢れていたのを覚えています。（多分、雨の日の体育館に近い音だと思う。）じっとしていても、何かしらの音が聞こえてくる。何かしらの魔法にかかったような気分になって、とても楽しかったのです。

静岡で育った私はしばらく、そうした場所とは疎遠でしたが、大学生になり都内に出ると再びこの迎賓館を訪れてみると、小学生の頃に見た風景はそのまま残されていて、懐かしい気分になると共に、何かしらの手段でこの雰囲気を表現したいと考えるようになり、とりあえず、youtubeに環境音動画という形にしてみました。

うまく表現できていているかはわかりませんが、今後もブラッシュアップしていきたいと思っています。

ポンパドゥール夫人

部屋の中心にかけられている絵画は、ポンパドゥール夫人の肖像画。ポンパドゥール夫人ことポンパドゥール侯爵夫人ジャンヌ＝アントワネット・ポワソンは、ルイ15世の公妾で、公妾たるその立場を利用してフランスの政治に強く干渉し、七年戦争ではオーストリア・ロシアの2人の女帝と組んでプロイセン・イギリスと対抗した人物。フランスのパリ出身でいかにも貴族といった見た目をしている。ちなみにかなりわがままな人物として伝わっていて、湯水の如く金を使っていたらしい。離婚もしている。

今回、製作にあたっていかにもわがままな女帝が住んでそうな雰囲気を出してみたかったというのがあります。多分、ポンパドゥール夫人の真似をしているような人なんじゃないかな。きっと、待合室とか人の目に着く場所に尊敬する人物の肖像画をかけているに違いない。そう考えて、この絵画を部屋の中央に置いてみたのですが、どうでしょうか。

この絵画には、魔法がかけられている設定です。絵の中で蝶が飛んでたりします。先述した通り、赤坂迎賓館を初めて訪れた時の「魔法にかかった気分」を出してみたかったというのがあります。